We Are The Champions
みんなで優勝目指そうぜ!!とアジテートした(つもりの)前回のエントリから、はや4カ月。そしてついに本当に、レイソルはJ1で優勝してしまいました。
埼スタではイマイチ実感が湧かなかった。満員の埼スタは非日常感にあふれているが、アウェイのレッズ戦という意味ではこれまでも経験したことのある風景、ロケーションだったし。おめでとうございます優勝ですよ!と言われても、目前で起こっている事象はレッズに勝利したという結果のみだったし。誇らしげに「Champion」の文字が書かれた看板が出てきて、大東チェアマンに大きなシャーレ(もう誰も灰皿とかフリスビーとか言わない!)を頂いて、ようやく少し、いつもの風景とは違う「優勝チームならではの光景」が展開して、じわじわと来るものがあった。
だが、最も「優勝の実感」がこみ上げてきたのは、アウォーズの録画を見たときですね。残念ながら通常業務があって生では見られなかったのだが、録画を見たらあんまり誇らしくて少し涙ぐんだ。いやー良かった良かったホントに。個人的には、ドゥーのベストイレブンがことさらにうれしいよ。
現在これを書いてるのは、TOYOTA Presents FIFAクラブワールドカップ準決勝、vsサントスFC戦を控えた豊田駅前のスターバックス。周りはサントスサポで固められ、自国開催なのにかなりのアウェイ感にさいなまれている。でもいいのだ。この大会への出場は、あくまでご褒美的なもの。この雰囲気を含めて楽しみたい。
やはり価値があるのは、トップリーグを制して日本一になったことだ。昨年も書いたが、長丁場のリーグ戦で頂点に立つには、競技としての強さはもちろん、バックアップ体制やクラブ運営など、総合力が求められると思うからだ。勢いだけでは得られない成果を成し遂げる、本物の強さ。われわれはそれを手に入れたのだ。
その要因は、選手個々の踏ん張りや、強化部の称賛に値する仕事、裏方スタッフの充実ぶりといった要素ももちろんだが、やはりネルシーニョ監督のスキルによるところが最も大きいと思う。彼がどこでこんなスキルを養ったのか、非常に興味がある。ヴェルディ時代はともかく、名古屋で指揮を執った時代は必ずしも成功とは言えなかったと思うのだが。クラブが現場を彼に任せて、彼のやりたいようにさせれば、こんな結果を出せるのか。それともネルシーニョ自身、還暦を超えてなお進化しているのか。
2009年の途中にネルシーニョが監督に就任した当初、ネルシーニョの行動、言動を伝え聞いて、正直に申し上げれば「ただの自信家の嫌味なおっさん」じゃないかと思った。
ほら、日本人なら誰しも、謙譲の美徳ってやつを持ってるじゃないですか。いえいえ、わたくしめなどまだまだの若輩者でございます。挑戦者として精一杯やらせていただきます。恐れ入りますがお胸をお貸しいただけますでしょうか。そんなへりくだった調子で、相手と対峙するじゃないですか。
でもネルシーニョは違うのですね。「オレはネルシーニョだぜ?」「オレたちはレイソルだぜ?」「なんで下手に出なきゃいけないんだ?」と。J1を制した今ならともかく、当時は降格圏内であえぐ弱っちいチームだったのですよ。しかしネルシーニョは、ボロは着てても心は錦的に(ちょっと違うか)、メンタリティだけは強豪クラブのそれであることを求めているように感じられた。傍から見てるとそれはあたかも、結果が出てもいないのにプライドだけは高い、過去の成功体験に酔っぱらったままの「終わった人」のようだった。
しかしそうじゃなかった。ネルシーニョはレイソルにはびこっていた負け犬根性を見抜いた上で、選手やスタッフの言動行動、思考回路から「王者仕様」にすることを求めたのだ。それを自らが率先して実行していた、ということなのだ。当時は気付かなかったが、今ならわかる。自信にあふれたレイソルの選手やスタッフの目、表情を見ると、ネルシーニョが変えたかったものがわかる。
どこまで行けるのだろう。ネルシーニョはこの先、レイソルをどこまで持っていきたいのだろう。興味は尽きない。ただ言えるのは、「ネルシーニョさんについていきます!!」ということだ。
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