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2008年6月24日 (火)

クラブとともに生きる、ということ

現在書店に置かれている「サッカー批評39号」、お読みになった方も多いことでしょう。私はかなり雑誌好きな人種だが、一冊の雑誌を隅から隅まで(広告除く)読破するって経験はあまりない。しかしこれは久しぶりに、全ページ一字一句逃さず読めた。ちょいと主張に偏りを感じた部分もあるものの、季刊でじっくり取材・執筆できるためか、中身の濃い内容になってますな。

やはりレイソルサポーターとしては、カトゥーのインタビュー記事が気になる。GKの3番手として、モチベーションの維持が難しい状況下での葛藤、それでも気持ちを切らさず日々の練習に取り組む姿勢。カトゥーの真面目さ、熱さ、気持ちの強さ、そしてパーソナリティ(ちょっとぶっきらぼうだけど、真摯に話す感じとか)がよく伝わる記事でしたね。目の付けどころがいいなあ、編集部。

この記事の中で、「へぇー!!!」と深く頷き、「なーるほーどねー!!!」と納得した部分がある。カトゥー自身のエピソードではないのだが、導入に用いられているカトゥーファンの女の子の話。

お読みでない方のためにご説明しますと、カトゥーファンの女の子がいて、筆者がなぜ加藤慎也のファンなのかを聞くと、「優しいからに決まってるじゃないですか」と答えられたという。彼女はカトゥーのことを好きな理由として、「ファンサービスのときに優しい」ことと「いい匂い」であることを挙げる。これには筆者も「加藤の優しさや匂いも含めて、それが彼女にとってのサッカーだった」「紛れもなく、Jリーグのもう一つの魅力になっている」と衝撃を受けた、と記している。読んでる私も驚いた。これは“クラブが身近になければ気づくことすらない”魅力的要素だ。




欧州のトップレベルのサッカーと比べると、Jリーグのサッカーはまだまだレベル的に劣るのは間違いないし、「つまんない」と切り捨てることもできる、かもしれない。だから、サッカー好きでもJリーグは見ない、テレビで欧州のサッカー見るのが好き、という方も多いだろう。それ自体は否定しない。

でもね。Jリーグの、それも地元のクラブを応援するってことは、それとはまったく異なる喜びがあるんですよと申し上げたいのです、欧州サッカーテレビ観戦派の方には。「サッカーを見る」だけではない、「クラブとともに暮らす」「クラブとともに生きる」という選択。カトゥーファンの女の子のエピソードは、それを如実に示す一例だと思ったのだ。

以前にも書いたが、欧州サッカーをテレビ観戦することは「テレビの中のアイドルに憧れる」こと、Jリーグのクラブを応援するのは「生身の異性とお付き合いする」こと、そんな違いがあるように思う。そりゃあ、アイドルタレントほどかっこよくも可愛くもないかもしれませんが、付き合ってる本人にとっては「世界一カッコいい、可愛い」、そのうえ「優しいし、いい匂い」だったりもするわけですよ。まあ、身近にいるからこそ些細なことでケンカもするし、腹が立つこともある。喜びだけじゃない、でもそれもひっくるめて「付き合う」ってことなんですよね。そんな曲折を経て、別れ難い存在になっていく。

まあアレです。テレビ見るだけじゃなくて、スタジアムで観戦するとひと味もふた味も違うよ、と。んで練習見学や各種のイベントに参加するなど、ゲームとは異なる付き合い方もできるよ、と。それがJの魅力、それを提供することが、引いてはJのレゾンデートルのひとつなんじゃなかろうか。

最近日本代表の試合の動員が芳しくないとか言われるけど、上に書いたような「クラブとともに生きること」の魅力が浸透してきてるから、それも当然なのではないかと思う。日本も、「代表=ドリームチーム」の引力より、「クラブ=わが町のわがチーム」に惹かれる人たちが増えている、と。だからJFAも「危機的状況」などとは捉えずに、長い目で見たらサッカー界にとって良い傾向だと大きく構えてほしいですね。

こんなこと書くのは、別に今EURO絶賛開催中だからとか、周辺に欧州サッカー好きでJを貶める輩がいるからとか、そんなことは全然ないんですけどね。でもほら、「日本サッカーを応援します!」って言いながらじつは欧州サッカー大好き!!みたいなメディアもあったりするじゃないですか。大きな声では言えませんが…。

もちろんJリーグも各クラブも、「身近にあることがJの魅力だから」とアグラをかいて、質的向上を放棄していいわけじゃない(そんなことあり得ないと知っているが)。いつかはレベル的にも人気の度合いでも、欧州に追いつき、追い越してほしい。だけど、Jリーグは欧州に比べて劣っている、だから問題だ、と切り捨てるのは違うんじゃないのと。このように申し上げたいのです。

またそんな主張をする手合いに限って、代表に関しては「日本サッカーの日本化」なんて言ったりする。プレーに関しては「日本人の特性を生かせ」とか注文を付けつつ、「欧州ではゲーム中歌い続ける応援なんてしない」と、あたかも日本の応援スタイルが後進的であるかのごとく。何なんでしょうね、まったく。ことに、大御所扱いされてるスポーツライターとかにそんな連中が多いからタチが悪い。

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コメント

Jクラブに惚れてしまった者の言葉に出来ない思いを的確に代弁してくれて感謝。

「俺たちのJリーグ」「日本サッカー応援宣言」なんて薄っぺらい標語はいりません。
ずっとハーフタイムの現地取材しない自称サッカーライターや
欧州かぶれの数霊術師も必要ないです。

投稿: ただひろ | 2008年6月24日 (火) 23時40分

いつも楽しく拝見してます。
激しく同意しましたので、思わず初めてコメントさせて頂きました。

この恋愛の例え話は、似たような話を自分もしていました。
ただ、恋愛されてない方には通じないことが多いとも感じます。
特に欧州選手権等のお祭りで騒がれる方たちには・・・。

昨年のクラブW杯でも、レッズを応援しない自分のことを
「非国民」って言われる方もいましたし(苦笑)

レイソルに激しく恋している自分としては、
浮気は出来ないんですよね。
むしろ黄色のセパハンのユニを見て、
大好きなあの子を思い出いるくらいですから。

こういう話も恋愛をしていない方々には伝わらないんでしょうね~

投稿: とみー | 2008年6月25日 (水) 01時33分

大昔に一度コメントさせて戴いたものです.
何しろ住んでいた町にチームがあったから(勿論,黄色いところ)サッカーを見るようになった(そしたら,はまってしまった)というクチなので,今回の件に全く異論はございません.
でも・・・
私もかつて「テッチャン」の端くれだったことがありますが,あれにも「車両派」とか「時刻表派」とか「模型派」とか「写真派」とか「記念品派」とか(呼称が正しいかどうかは別として)いろんな「派閥」=「楽しみ方」があってそれなりに共存していたような気がします.
だからお互いに放っておけばいいのに.
少なくとも「こういう楽しみ方がある」というのはポジティブですが,「そんなんじゃ駄目だ」といっても仕方ないよねえ・・・という気がします.まあそもそもが勝ち負けのあるものだから止むを得ないのかも知れませんけど.

投稿: FUNFUN | 2008年6月25日 (水) 06時07分

確か、7~8年くらい前に、日本代表が横浜かどこかで試合をした時に、甲府も同じ時間に試合をしたことがあって、600人くらいの観客が入ったというニュースがありました。インタビューされた甲府ファンの人が「代表よりチーム」と言っていたのを聞いて、天晴れ!と思いました。
私も、レイソルと代表の試合が重なっても、レイソルを見に行くつもりです。

言いたい人には言わせておけばいいんです、自分の好きなチームは自分が決めるのであって、ヒトサマが何を言おうが知ったこっちゃないですから。

投稿: めいりん | 2008年6月25日 (水) 13時48分

皆様

FUNFUNさんがおっしゃられているように、サッカーにもいろいろな楽しみ方があってしかるべきだと思います。欧州サッカーをテレビ観戦して素晴らしいプレーを楽しむ、それもまた一興。全く否定しません。

私が違和感を覚えるのは、欧州と日本のクラブサッカーのレベルを比較して、「Jリーグなんて見る気がしない」と切り捨てちゃうような考え方です。Jを見る、特定のクラブを応援するってのは、これはこれで素晴らしい魅力なんだよ、と。

日本にもマンUサポーターを自認する人は多々いらっしゃると思いますが、彼ら彼女らが「C.ロナウドってすごく優しくて、いい匂いなんだよ」という理由で好きになるか。たぶんないでしょう。プレー以外の要素での接点がある、それは間違いなく、Jの魅力のひとつでしょうね。

投稿: おにぎり | 2008年6月25日 (水) 13時50分

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